EVバッテリーの生産拠点の獲得競争、米国フォードと韓国SK Innovationが合弁会社設立を発表

発表

EVバッテリーの生産拠点の獲得競争が起きている。

米国フォードと韓国SK Innovationは、米国で合弁会社BlueOvalSKを設立する覚書(MOU)を、2021年5月20日に締結したと発表した。

合弁会社の名前は、BlueOvalSK。
「BlueOval」ロゴデザインのフォードとSKイノベーションの「SK」をつないだ名前。

生産目標、190GWh

BlueOvalSKは、バッテリー電気自動車のバッテリーのセルやセルアレイを年間約60GWhを生産するとしている。年間 60GWh の出力は、約 600,000 台の電動ピックアップ トラックに電力を供給できます (車1台に約 100kwh のバッテリーが必要)。

SKイノベーションは、世界で3番目に大きいバッテリーメーカーになるために、今回フォードとBlueOvalSK合弁会社を設立することを決定しましたとある。

SKイノベーションの計画は、2025年までに年間125GWh以上の容量を確保する当初予定を、合弁により、190GWhと、より高い目標を達成することを見込んでいるとある。

BlueOvalSKは、米ミシガン州にEV用電池の拠点を開業し、リチウムイオン電池などの研究・開発を進める。また、全固体電池を手掛ける米新興企業への出資拡大もこのほど発表した。

投資額

SKイノベーションの今回の合弁会社への投資額は約6兆ウォン。これに伴い、SKイノベーションは第1工場とジョージア工場への3兆ウォンの投資と合わせて、米国で合計9兆ウォンのバッテリー施設を建設すると発表した。 .

フォード(Ford)が目指す「ALL ELECTRIC」

Ford のグローバル BEV 計画では、2030 年までに少なくとも 240 GWh のバッテリー セル容量が必要としている。北米では約 140 GWh が必要で、残りはヨーロッパや中国などの他の主要地域に割り当てられるとしている。

SKイノベーションの歴史

1991年に電気自動車用電池の研究を開始し、1996年にリチウムイオン電池を開発した。世界の電気自動車と電池産業が急速に成長した2017年から、電池事業をグローバルに拡大し始めた。現在、SKイノベーションは韓国、中国、ハンガリー、米国に製造工場を持ち、世界で40GWhの生産能力を確保している。

SKイノベーションの技術

SKイノベーションは、高ニッケルNCM(nickel-cobalt-manganese の略)バッテリー技術の開発と商品化を専門に行っている。2016 年に世界初の NCM-811 バッテリーを開発し、Ford の動力源として米国で量産される世界初の高密度「ニッケル 9」バッテリー (ニッケル含有量 90% のバッテリー) を開発しました。 -150 ライトニング

米国におけるSKイノベーションの最初の2つのバッテリー工場はジョージア州にあり、年間総容量は22 GWhです。

特許解析

米国特許を出願する発明者の人数をグラフ化した。出願件数ではなく、開発者の人数に相関が高い発明者の人数のグラフである。

発明者が増え始める時期は、フォード(Ford)とSKイノベーションともに、2010年あたりからで、ガソリンの排気ガス規制がより厳しくなってきた時期と思われる。開発者を増やし、発明者が増え、特許出願の数が増えた結果だと思われる。

発明者の人数(解析)

近年(2018年)あたりで見ると、フォード(Ford)が200人前後、SKイノベーションが50人前後の発明者人数を投入している状況まで、開発体制を強化してきている。

今後もさらに増やしているのではないかと思われる。

まとめ

EVバッテリーの生産拠点の獲得を推進する自動車メーカーは、米国フォードだけではない。

米ゼネラル・モーターズ(GM)は、韓国LG化学系電池大手と合弁で、米国内2カ所目の車載用電池工場をテネシー州に建設すると2021年4月に発表していた。(別途、記事にする予定)

勿論、それ以外の自動車メーカーの多くが、バッテリーEV車の開発に取り組み、バッテリー生産のための拠点づくりなどに取り組んでいると思われるので、別途、リサーチして、記事で紹介する予定である。

2021年6月6日 アナリスト 松井

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