GMがスタートアップStrobeの買収、手に入れたLiDAR技術とは

プレスリリース

General Motors(GM)は2017年10月9日、カリフォルニア州にある「Strobe」の買収を発表した。発表内容には、安価で小型化できるLiDAR技術を保有するスタートアップ企業であるとしていた。

LiDARセンサー分野の技術は、自律走行車両のセンシング技術で、精度よく走行するために重要な技術である。

実用化するための技術課題は、コストと小型化であったが、その課題を解決できる期待を持ってこの買収をしたことを発表している。現在の2021年5月からみて、4年弱前のことである。

GM CruiseのCEOのVogt氏のブログ記事によれば、「Strobe’s new chip-scale LIDAR technology will significantly enhance the capabilities of our self-driving cars. …」と述べているように、チップサイズの小型化であることを示している。

この買収により、Strobeの開発者は、GM子会社のGM Cruiseのメンバーに加わり、Strobeのセンサー技術の開発を継続して進めることになった。

安い・小さいLiDAR技術をGMが手に入れた


LiDARセンサーの技術課題は、価格と小型化が大きいとされていた。
当時の相場が100万円以上といわれていたLiDARの価格は、Strobeの技術によりコストを下げられる可能性がある。

GMは、Strobe買収でLiDARセンサーを自社開発を進め、独自のセンサー開発を進める方向性となった。

しかし、LiDARの現在の価格は、例えば、Luminar(ルミナー)がボルボに5万円で出荷した報道があるなど、3,4年経って、実用的な範囲に入ってきている。

GMが開発しているLiDARがどのレベルにあるのかは、不明であるが、LiDARの実用化の目処が立ってきているようにも思う。

Stroboの技術開発(特許解析)

StrobeのLiDAR技術開発は、2016年~2017年にStrobeで開発され、2017年の買収以降、GM Cruiseで行われ継続していることが特許解析を行なった結果で分かった。

Strobe社のパテントマップ

Strobe社の特許出願情報を使って、作成した発明者数推移マップを見てほしい。

横軸が出願年、縦軸が発明者数を示す、Strobe社の発明者時系列推移グラフ

グラフによれば、2016年と2017年に出願があり、発明者2名が存在する企業であったことが分かる。
一方で、2018年以降の発明者数がゼロ、つまり、出願がないことが分かる。

この意味は、StrobeのLiDAR技術開発は、2016年~2017年に発明者2名で行われたことが分かる。一方で、買収があった2017年の後の2018年以降に出願が途絶えた理由がGMによる買収であることは明らかである。

おそらく、Strobeでの特許出願がなくなり、GM Cruiseで特許出願が継続されている可能性があると思い、調べてみたところ、GM Cruiseの出願が存在することが分かった。

最後に(今後の深掘り予定)

GM Cruiseに移った後の特許出願について、特許解析を行なう予定である。Strobeの特徴的なLiDAR技術の開発がGM Cruiseで継続されて開発が進められていることが特許解析の結果から分かている。詳しく解析をした結果を記事にしてお知らせする予定である。
完成したその記事は、下記にリンクを貼る予定なので、本ページを再度訪問いただければ、閲覧可能です。お楽しみに。

2021年5月16日 アナリスト 松井

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