【目次】
「ソニーは、自動車を 自社開発できる?」 ”pat見”たので、レポートする。
- ソニーにとっての自動車分野、技術開発者数増で見えた強化傾向!
- ソニーの注力は、強み技術を応用したパーツ
- M&A経験が導く自動車メーカーへの道
- 最後に
1.ソニーにとっての自動車分野、技術開発者数増で見えた強化傾向!
強化傾向が見られた。しかも、技術開発者数を多く投入する企業の方向性が伺えるレベルの特許数(2017年500件超は、250人以上の開発者がいると予測)にある。
グラフの注釈
- 本グラフの見方;横軸;開発時期、縦軸;技術開発アクティビティ(出願数)
母集団=「出願人・権利者;”ソニー”」×「全文;”電気自動車 車両 車載”」で検索した。
- 1)調査日;2020/2/11
- 2)対象国;日本特許の出願が対象。
- 3)カウント方法;ファミリー数。代表特許の出願日(優先日)でグラフ化。
- 4)出願日;20100101~
2.ソニーの注力は、強み技術を応用したパーツ
特許出願の母集団の内訳(主なもの)
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センサー(LiDAR,RADER)
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専用イメージセンサと車載カメラシステム
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画像処理
車体、トランスミッション、などのクルマならではの技術の開発は少なかった。
また、特許出願が多くあった「電気自動車のバッテリー」を除外しました。技術開発を中止したレベルに放棄特許が多かったためです。
(この内訳の根拠となるパテントマップ等は、後日掲載予定)
3.M&A経験が導く自動車メーカーへの道
ソニーが自動車メーカーになるには、車体、トランスミッション、デザイン、などなどの自動車技術が必要になるが、現在のソニーにはその技術はない。開発者がいない。
このような状況で、事業参入を遂げた経験を過去にソニーはしている。
デジタルカメラ事業への参入は、ミノルタで培った技術をコニカミノルタから事業譲渡を受けたことによる。
コニカミノルタ のカメラ事業の業績悪化タイミングで譲渡を受け、開発者の移籍もあった。
ソニーブランドのクルマは、やはり、譲渡などM&Aなどがキッカケになることが考えられるものの、CES2020の時点で、その傾向はまだみられない。
4.最後に
CES2020時点のソニーは、自動車ブランドの獲得という段階ではないと思う。
まずは、「Safety Cocoon」のイメージャー技術をアピールする狙いでCES2020を行ったと思う。運転手では見えない逆光や雨の中の人などを見る目の技術がソニーにはあることを注目れた。
そこに加え、「S.RIDE」への取り組みで、イメージャーなど車のセンシング技術と組み合わせた車両制御のソフトウエア技術を獲得する狙いがあったと思う。
ソニーブランドの自動車が街を走る可能性は、近々にあるわけではないが、業績の悪い自動車メーカーが出てくればM&Aなどで、実現するのかもしれない。
2020年3月21日更新 アナリスト 松井
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