デンソーが開発を進めるスマホキーシステム技術、開発競争の先にある未来が見えてきた!?
未来の価値(予測)、スマホが鍵になるだけではない!新たなサービスが生まれる
所有者以外がスマホキーでドアを解除する
次世代のクルマの使い方とは!?
デンソーの発表
① 米国インフィニットキー社を2017年10月に買収
デンソーは、スマートフォンを用いたスマートキー/スマートエントリーに関する特許技術を保有する米国のベンチャー企業「インフィニットキー社」を2017年10月に買収したと発表した。(出展; Automotive mediaレスポンス)
用語解説、「パッシブエントリー/パッシブスタート(PEPS)システム」
車の鍵の代わりに、リモコン・キーを使って車両のCPUと通信を行い、電気モーター(エンジン)を始動するシステム。
② ドイツLambda:4に2020年11月に出資
株式会社 デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:有馬 浩二)は、高周波電波を利用した測距技術を開発するドイツの企業Lambda:4(本社:ドイツ ハンブルク州、社長:Rönne Reimann)に出資しました。これによりデンソーは、ライドシェアをはじめとした多様な形態のモビリティサービスの普及を見据え、高いセキュリティと利便性を兼ね備えたスマホキーシステム(Phone-as-a-Key、以下PaaK)を活用した事業展開を加速します。 (出展;デンソー)
②-1.ドイツLambda:4の技術
Lambda:4は、地面や天井など車両周辺の物体に反射しながら、さまざまな経路をたどって車両に到達するスマートフォンの電波を高精度に検知し、電波が届くまでの時間から正確に距離を測る技術を有しています。
スマホキーシステムの次世代技術
スマホキーシステムは、Phone-as-a-Keyと呼ばれていて、略して「PaaK」と呼ばれる技術。
デンソーの発表によれば、スマートフォンを車両の鍵として用いるPaaKは、1台の車両を複数の利用者が使うライドシェアや、駐車車両を宅配ボックスとして利用する際の宅配業者向けの認証などに利用することができ、将来のモビリティ社会をより豊かにする技術です。」(デンソー)
PaaKにより生活の利便性が高まる一方で、セキュリティの担保が不可欠であり、従来の車両専用のスマートキーと同様に正確な位置を特定する技術が求められます。認証されたスマートフォンを所有している利用者が車両に接近していることを識別し、利用者が車両のドア付近にいるときのみドアの施錠や開錠を可能にし、また、利用者が車内にいるときのみエンジンをかけることができるよう、細かく位置を特定する必要があります。
技術課題
PaaK の技術課題は、第一段階として、自動車メーカーが車両ごとに設定していた特定のスタートキーに備わっていたセキュリティ機能をどのようにして、スマホに搭載するか?それを解決できる技術として、 デンソーは、ドイツLambda:4の技術に投資したと思われる。
第二段階は、 不特定の個人を認証するライドシェアなどのアプリケーションに適用すること。
デンソーの発表によれば、このことに言及していることから、この技術確立に一定の目処が立っていることと思う。
ライドシェアや 駐車車両を宅配ボックス として使用するなどの次世代のサービスがまさに今開発が進められていることが分かった。
特許解析、開発アクティビティ
PaaK技術に関する開発リソースを発明者数で可視化したグラフによれば、2016年あたりから開発リソースが急増している技術であることが分かった。
その中でデンソーは、2019年から特許出願を開始していたようで、開発リソースを10人以上投下していると推定される。その先の2020年に上述したドイツLambda:4に出資し、セキュリティ強化を行っている状況である。
PaaK開発に関わる発明者の総合計≒開発リソース
2016年あたりから発明者が急増している技術であることが分かった。
グラフの補足
- 調査日;2021年11月04日
- 2020年出願分の人数は、調査日時点に出願済み分が今後公開し増加する見込み
投資額推計(億円)
2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | |
DENSO | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2.1 | 1.65 | 0 |
全体 | 0.3 | 0 | 0.45 | 0.3 | 0.3 | 3.15 | 7.8 | 6.45 | 12.6 | 7.8 | 0.45 |
PaaK技術への総人材投資額推計は、2019年に12億円を超えて、増加傾向が予測される技術であることが分かった。
今後の参入企業が増えることが予測される技術である。
もっと知りたいあなたへ
PaaK技術の開発競争、ある自動車メーカーF社が開発しているようです。
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