Connectedが生み出す商品・サービス像

ここでは、Connected(コネクテッド)カーの開発やサービスに取り組もうとする企業等が発信する情報を調べた上で、調査結果をベースにどのような 商品・サービスが産みだされるかを推測しましたので説明します。

Connected Car とは

「Connected Car 社会の実現に向けて 」(出展、総務省ホームページのリンク先 )でのConnected Car とは、「クルマとクルマ」(V2V)、「クルマとネットワーク」(V2N)、「クルマと人」(V2P)、「クルマとインフラ」(V2I) が通信でつながれたクルマのことが示されています。「Connected」、つまり「繋ぐ」ものは、通信で情報を繋ぐということのように思われます。

    ※ 図は、総務省ホームページの資料からの転載 

既存のクルマは、すでに、通信機能が装備されたクルマが公道を走っているものもあります。一方、Connected Car は、この4つの通信機能を備えているクルマだとすると、その実現により暮らしがどう変えるのか、クルマの機能やサービスがどう変わるのかについて、知りたくなります。それを調べました。

Connected Carの商品像やサービス像について、その調査結果を使って分析(推測)しましたので説明します。

企業等が考える商品・サービス像

Connected Car を主導しようとする政府やトヨタやメルセデスなどの自動車メーカーが考える Connected Car とはどのようなものか? 調べてみた結果を説明する。

政府がイメージするサービス

「Connected Car 社会の実現に向けて 」(出展、総務省ホームページのリンク先 )で説明されている新たなサービスを示した図がこれである。

    ※ 図の総務省ホームページの資料からの転載 

  • 運転手の感情・嗜好性に応じた提案
  • 家庭内機器との連動
  • 自動車保険
  • メンテナンスサービス
  • エージェントサービス

実現されれば、 「わくわくするクルマ」になるという。

トヨタ自動車のサービス

HPhttps://www.toyotaconnected.co.jp/service/)によれば、8つのサービスを展開するとあり、従来のクルマの販売だけの従来の自動車会社ではなくなっていくように思われた。

  1. コネクティッドプラットフォーム
  2. ビッグデータ
  3. モビリティサービス
  4. テレマティクスサービス
  5. PHV/EV充電サービス
  6. デジタルマーケティング
  7. リアルコミュニケーション
  8. IT改善ソリューション

 

Mercedesのサービス

Mercedes-me-connectと呼び、HP(http://www.mercedes-me-connect.jp/ ) によれば、クルマを使ったサービスを売りにするサービスを展開する模様。

  • 新しい安全・安心 不慮のトラブルに対する安心と安全なサポートをする。
  • 新しい快適    スマートフォーンからのクルマの操作ができる
  • 新しいおもてなし 運転中にレストランを調べたりなどで、オペレーターサービスを行う。など

具体的な機能・生活シーン

各企業等がHP等で発信する情報は、具体性が不足し、 生活シーンがどう変わるかが分かりにくいことがが多い。理由は、商品化前の技術開発段階であるから。つまり、企業のプレスリリースは、商品化前の段階で多くを書けない側面があります。

そこで、特許情報を使い調べ、さらに、 生活シーンでの価値感で表現するように工夫し、この後説明します。

補足)工夫の理由

  • 特許情報を使う理由は、各企業が取り組む具体性な機能・サービスが開示されている。
  • 生活シーンでの価値感で表現する理由は、特許情報が分かり難い技術資料だからで、分かりやすく伝えるため。

特許情報から伺う

”Connected Vehicle”を意識した技術開発は、パテントマップで見て分かるように、最近の活発化傾向がはっきりと伺えた。

パテントマップでみる傾向

  • 母集団=”Connected Vehicle”を全文に含むものを対象に検索したもの

  • 補足1)横軸;開発時期(=出願年)、縦軸;技術開発アクティビティ(出願数)
  • 補足2)2018年のグレー色対象は、未公開分の出願の試算件数を示す。
  •  
  • ※ 条件
  •  1)調査日;2019/11/04
  •  2)対象国;米国の特許出願が対象。
  •  3)出願日の限定;2010年1月1日以降に限定した。

     

 

特許情報の個々から伺える、具体的な商品像・サービス像が伺えました。

  • クルマそのものが雨検出などができるので、走行中の道路の天候状況をそこから情報収集し、道路ごとの雨の状況や、スリップのしやすい状況が管理でき、運転制御でより安全な自動運転を実現する。
  • 緊急事態のお知らせするサービスで、事故車両の存在や緊急車両の接近、或いは、厳しい気象状況等が行き先に存在するなど、従来知りえなかった情報がタイムリーに提供される。
  • 盗難防止する機能で、マイカーの盗難時にタイムリーにお知らせがくるサービス。時には、エンジン停止など、盗難防止機能も考えている。
  • 故障予測をする車両メンテナンスサービス。
    デジタルツインによるシミュレーション技術で、車の故障予測などをクラウドで行う。
  • カーシェア専用自動料金支払いシステム。
    サービス提供会社は、通信で、走行距離情報や位置情報を取得し、自動計算でカーシェア料金を決定し、自動料金支払いまでを行うサービスをする。などなどカーシェアリング向けに色々な機能が開発中と思われた。
  • 電気自動車(EV)になるので、売電機能サービスが考えられている。
    バッテリーの余剰電力を、電気が不足して困っているところ(地域やクルマ)に供給・売るサービス。

     

    などなど、特許出願で公開されたアイデアが色々とあふれています。

 

更新日;2019/11/2