TRI(トヨタの自動運転研究所)

□企業

会社名は、Toyota Research Institute(TRI)。トヨタ自動車が米国に拠点をおく自動運転技術の研究所。

その子会社として、 トヨタ自動車、デンソー、アイシン精機の3社が2018年3月に共同で設立した「トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント株式会社(TRI-AD)」がある。

□技術

  • TRIの強みは、人工知能(AI)を使った技術開発。数百万ドルを投資し、MIT、スタンフォード、ミシガン大学、などの 研究機関、大学、および企業 と 共同研究を進める。
  • 運転支援システムの技術は、「Guardian」と「Chauffeur」 の2つに分けていて開発している。
  • 地図の生成技術は、車の走行に伴いLiDARセンサなどの情報から予め用意された地図を更新するものである。ただし、実用化が簡単ではない。精度の課題、誤認識の課題、など、技術課題は多くある。その技術開発をTRIは進めているという。

・ 「Guardian」と「Chauffeur」の2つの運転支援システムがある。

「Guardian」と「Chauffeur」
  • GUARDIANが、運転者支援の自動運転車。
  • CHAUFFEURが、完全自律走行車。

・「自動地図生成プラットフォーム(AMP)」を開発している

「Toyota Research Institute Advanced Development(TRI-AD)は、自動運転車向け高精度地図の普及を促進するため、「自動地図生成プラットフォーム(AMP)」を開発する。」(出展;MONOist


□ 特許

68件の 米国特許出願が 調査日時点(2019.05月)で 公開されている。


2017年から出願が始まった。

2017年から出願が始まり、米国以外に日本、中国、ドイツに出願がされている。 2016年に会社が設立後に特許出願である。

運転支援システムの技術に関わる出願の主な技術分類は、LiDARセンサ技術(G01S17/88)、センサを使って行うシーン認識技術(G06K9)、衝突防止技術(G08G1)、クルマの姿勢制御・位置の制御技術(G05D1/0088)がある。

  • 例えば、US10095228(リンク先は、GooglePatentsの公報)は、 運転席で見る画像に、 AR技術(拡張現実)を使って、人や他のクルマをレンダリングして表示する機能のものがある。将来のクルマには、肉眼で見える以外のものがみえる時代になるのかもしれない。
  • 例えば、US2019/0094040 (リンク先は、GooglePatentsの公報) は、 運転席で見る画像に、 LiDARなどのセンサで検知した物体を表示する機能のものがある。車の陰で見えない人などをセンサが検知し、それを運転者に表示で知らせてくれる機能である。これも、肉眼で見える以外のセンサで検知した物体を 運転手に見せようとする機能で、 将来のクルマには、肉眼で見える以外のものがみえる時代になるのかもしれない。

一方、地図生成の技術の特許出願は、やはり、LiDARセンサ技術(G01S17/88)、センサを使って行うシーン認識技術(G06K9)、 それに、地図データの構造(G01C21/32)などがある。

例えば、 US10203210 (リンク先は、GooglePatentsの公報)
は、 地図更新システム。技術は、車両が センサからの情報で、車両が他の車両、障害物、歩行者、などの周囲情報を使用して、環境内に車両を位置特定することができるSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)  と呼ばれ技術を使い、マップを生成・更新するもの。この技術は、位置の誤差の課題を解決する課題を捉え解決しようとする技術である。

自動ブレーキ

□技術

自動車が衝突しそうな時に、車を停止させようとする機能のことです。

欧州での呼称は、Autonomous Emergency Brakingで「自動緊急ブレーキ」です。

衝突する対象物をセンサーが検知し、速度や距離を考慮して、衝突の恐れがあると判断した際に、自動的にブレーキが作動させるものです。

そのセンサーには、「赤外線レーザー」、「単眼カメラ」、「ステレオカメラ」、「ミリ波レーダー」などの複数の種類があって、1種類だけのものもあれば、複数を併用しているものもあります。

□企業

自動車メーカーのほとんどが「自動ブレーキ」の機能を商用化しています。

普通自動車で商用化したスバルのアイサイトは、CMなどもしていて知られています。

トヨタは、

https://toyota.jp/safety/scene/scenes/?padid=ag461_safety_about_tss_link01

によれば、 「自動(被害軽減)ブレーキ」 を呼称 とし、

センサに「単眼カメラ」+「ミリ波センサー」 を併用しています。

広い視野で人や走行車両をカメラで認識し、一方、カメラが苦手な雨や霧、夜間をカバーすべく、ミリ波レーダーで認識しています。

日産は、

https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/dayz/performance_safety/nim.html

によれば、「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」を呼称 とし、

前方のクルマや人を検知して、ぶつかる可能性が高まると表示とブザーでドライバーに回避操作をメーター内の警告表示とブザーでドライバーの回避操作を促し、 万一、安全に減速できなかった場合には、ブレーキが作動するとあります。

ホンダは、

https://www.honda.co.jp/safety/technology/active/cmbs2/

によれば、「 衝突軽減ブレーキ〈CMBS〉(レーダータイプ) 」を呼称 とし、
 ※ CMBS=Collision Mitigation Brake System

センサに「ミリ波レーダー」を使っています。

衝突の危険が高まると音や表示、軽い自動ブレーキで注意を促します。

衝突対象が対向車の場合には、ステアリング振動によっても警告する機能もあります。 

スバルは、

https://www.subaru.jp/levorg/levorg/safety/eyesight.html

によれば、「 アイサイト(ver.3) 」を呼称 とし、

センサに「ステレオカメラ 」 を使っているようです。

ステレオカメラは、視野角と視認距離を拡大して認識性能を向上させているようで、さらに、カラー画像化をしています。それにより、ブレーキランプの赤く光る点灯を認識できるようにし、従来より性能を高めている。カメラの不得意な逆光にも対応する改善がなされ、安定性を高めています。

他のマツダ、アウディ、など、ほとんどの自動車メーカーが自動ブレーキの機能を商用化しています。

ただし、ここまで紹介したように、トヨタ、日産、ホンダ、スバルの4社を比較してもわかるように、センサが各社異なります。また、日々進化をさせているようです。各社の性能はマチマチといえますし、日々性能が変化していっている状況が分かりました。

□特許

では、各社の特許出願の状況を見てみましょう。

特許出願数を出願年で時系列にしたパテントマップを示しました。

最近の特許出願のボリュームは、トヨタが各社の倍くらいあることが分かりました。

スバルは、200 8年に 初代のEyeSightを出して、その前の開発時期に特許出願を多く出願しました。

その近辺は、日産自動車の特許出願も比較して多くありました。

しかし、最近、トヨタの特許出願が特に多くなっていて、日産自動車の出願が自動ブレーキに関し、減らしてきていることが分かります。ホンダは、2014年に増やしてきていて、その後も継続をしていますが、トヨタに追い付いていない状況です。

商用化した機能のセンサは、各社で異なるようなので、技術開発の違いが出ている可能性があり、特許出願の状況も違うように推測しました。(現時点では未確認です)

【予告】

後日、本投稿をアップデートする予定です。

各社の特許出願の内容を分析し、最近の技術開発がどこまで進展しているか、性能を高めるとか、別な機能にシフトしているとか、など、各社がどこに向かって技術開発を進めているのか、将来の機能を予測できるように、各社の特許出願を把握してみようと思っています。

お楽しみに。

エクォス・リサーチ

□企業

㈱エクォス・リサーチは、アイシン・エィ・ダブリュ株式会社の100%子会社です。

トヨタ系子会社。関連は、トヨターアイシンーアイシン・エィ・ダブリュ工業株式会社ーエクォス・リサーチと親子関係にある。

HPによれば、次の技術開発を行っている。

  • ・ウェブ情報に基づく目的地情報更新システム
  • ・統合車両情報システム
  • ・自然言語によるあいまい目的地検索
  • ・micro Navigation System
  • ・触感ディスプレイ
  • ・自動車用対話型運転支援システム
  • ・Blind View System
  • ・大画面ヘッドアップディスプレイ
  • ・観光バスガイドシステム
  • ・4輪駆動力制御
  • ・CVT用チェーンベルト
  • ・フルトロイダルIVT
  • ・メカニカルCVT
  • ・ダブルエンジンCVT
  • ・超小型駆動モータ
  • ・高効率モータシステム
  • ・一人乗り超小型車
  • ・ウェアラブルモビリティ
  • ・キャリアブルモビリティ
  • ・燃料電池用改質システム
  • ・EV燃料電池用大容量キャパシタ
  • ・水素吸蔵合金タンク用水素燃料計
  • ・ワイヤレス給電
  • 車載用空気清浄器
  • ・車載カラオケ

□Patent

HV出願が多い

ハイブリッド自動車に関する1995年出願数が多い


俯瞰(Patent)

2015年から活発化する自動運転技術開発の状況

自動運転関連 日本特許出願数推移

この出願をするプレーヤー(企業、大学、等)

  • トヨタ自動車
  • デンソー
  • 本田技研工業
  • パナソニックグループ
  • SUBARU
  • 三菱電機
  • アイシン・エィ・ダブリュ
  • 日産自動車
  • オムロン
  • パイオニア
  • 日立オートモティブシステムズ
  • 三菱自動車工業
  • デンソーテン
  • アルパイン
  • みこらった
  • BAIDU USA
  • 日立建機
  • マツダ
  • 日立グループ
  • ROBERT BOSCH
  • WAYMO
  • シャープ
  • インクリメント・ピー
  • デンソーITラボラトリ
  • 日本精機
  • 日本自動車部品総合研究所
  • 住友電気工業
  • クラリオン
  • いすゞ自動車
  • スズキ
  • ヤンマー
  • ソニーグループ
  • ヤフー
  • 三菱重工業
  • 東海理化電機製作所
  • 日本総合研究所
  • 東芝グループ
  • TOYOTA MOTOR ENGINEERING & MANUFACTURING NORTH AMERICA
  • アイシン精機
  • 駐車場綜合研究所
  • ニコン
  • 矢崎総業
  • 豊田中央研究所
  • NEC
  • SAMSUNG ELECTRONICS
  • クボタ
  • 三菱ロジスネクスト
  • 渡邉雅弘
  • RENAULT
  • TOMTOM GLOBAL CONTENT
  • エイディシーテクノロジー
  • ゼンリン
  • リコー
  • 名古屋大学
  • IHI
  • IHIエアロスペース
  • NTT
  • ダイハツ工業
  • CONTINENTAL AUTOMOTIVE SYSTEMS
  • イマージュ
  • 田山修一
  • アドヴィックス
  • カルソニックカンセイ
  • トヨタマップマスター
  • 井関農機
  • 京セラ+京セラメディカル 等
  • 小糸製作所
  • 東京大学
  • 東京農工大学
  • 東芝デジタルソリューションズ
  • IHI運搬機械
  • DAIMLER
  • HYUNDAI MOTOR
  • 富士通
  • HON HAI PRECISION INDUSTRY
  • VALEO SCHALTER UND SENSOREN
  • オートネットワーク技術研究所
  • 住友電装
  • 発明屋
  • HUAWEI TECHNOLOGIES
  • JAGUAR LAND ROVER
  • PILZ
  • VISTEON GLOBAL TECHNOLOGIES
  • アドバンスド・データ・コントロールズ
  • オムロンオートモーティブエレクトロニクス
  • キヤノングループ
  • コマツ
  • セコム
  • ティーラボスカンパニー,リミテッド
  • トヨタテクニカルディベロップメント
  • トヨタ学園
  • 三菱重工メカトロシステムズ
  • 日野自動車
  • 村田機械
  • 東芝インフラシステムズ
  • 東芝ライフスタイル
  • 清水建設
  • 理化学研究所
  • KDDI
  • NTN
  • GOOGLE
  • ゼンリンデータコム
  • 日本自動車研究所
  • BAIDU ONLINE NETWORK TECHNOLOGY (BEIJING)
  • CONTINENTAL TEVES
  • HYUNDAI MOBIS
  • INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
  • PHILIPS LIGHTING HOLDING
  • QUALCOMM
  • ROYAL PHILIPS
  • SAMSUNG HEAVY INDUSTRIES
  • SCANIA CV
  • VOLKSWAGEN
  • VOLVO LASTVAGNAR
  • VORWERK & COMPAGNIE INTERHOLDING
  • WABCO
  • みなと観光バス
  • アズビル
  • イネーブラー
  • エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ
  • オムロンヘルスケア
  • ジェイテクト
  • テイ・エステック
  • データ変換研究所
  • トヨタホーム
  • トヨタリサーチインスティテュート,インコーポレイティド
  • バゼラブスゲゼルシャフトミットベシュレンクテルハフツング
  • ミサワホーム
  • ヤマハモーターパワープロダクツ
  • ヤマハ発動機
  • ヴィルジリオ,サヴィーノ
  • 中日本高速道路
  • 佐々木久
  • 先進モビリティ
  • 創発システム研究所
  • 加藤俊徳
  • 取田秀樹
  • 多摩川精機
  • 富士フイルムグループ
  • 山内和博
  • 山崎信寿
  • 岩根研究所
  • 愛知製鋼
  • 慶応義塾
  • 損害保険ジャパン日本興亜
  • 日精
  • 早稲田大学
  • 村田製作所
  • 東京エレクトロニツクシステムズ
  • 東京工業大学
  • 東芝メモリ
  • 椿本チエイン
  • 江蘇南大五維電子科技
  • 沖電気工業
  • 渡部廣夫
  • 産業技術総合研究所
  • 矢崎エナジーシステム
  • 立命館
  • 竹内久知
  • 管野昌之
  • 管野昌仁
  • 舟城亮一
  • 豊橋技術科学大学
  • 豊田自動織機
  • 野村総合研究所
  • 金沢大学
  • 鉄道総合技術研究所
  • 関孟重
  • 電力中央研究所
  • KYOWAエンジニアリング・ラボラトリー
  • NTTドコモ
  • ZMP
  • エクォス・リサーチ
  • ELECTRONICS AND TELECOMMUNICATIONS RESEARCH INSTITUTE
  • 渡辺冨美雄
  • TOYOTA MOTOR SALES, U.S.A.
  • アイホン
  • オリジナルソフト
  • ティノスインク.
  • トヨタIT開発センター
  • ナビタイムジャパン
  • ユピテル
  • ユーテイリテイ・リスク・マネジメント・コーポレーシヨン・エルエルシー
  • 別所勝
  • 坂本幸一
  • 大阪ガス
  • 峠篤史
  • 青木邦雄
  • JVCケンウッド

車線逸脱防止支援

□Technology

自動車が走行中に車線を逸脱することを防ぐ機能で、運転者の操作を支援する技術のことを示す。

アクティビティは、2015年からの開発強化の傾向がある一方、トヨタ、日産、マツダ それぞれがフォーカスする技術開発(特許出願)内容が異なっていることが分かる。

□トヨタ*センシング・制御・操舵の3機能

  • 車線はみ出しアラート(レーンディパーチャーアラート)、白線(黄線)を踏み越えそうな場合、ブザーとディスプレイでお知らせる技術。
  • 追従ドライブ支援機能(レーダークルーズコントロール)、車間距離を一定に保って、ついていく技術
  • ハンドル操作サポート(レーントレーシングアシスト)、車線の中央を走るようにハンドル操作をサポートする技術。

●パテントマップ;トヨタの逸脱防止技術(日本特許)

コメント;2015年から開発強化されている

●最新の特許サンプル

□日産*LDP(車線逸脱防止支援システム)

走行車線の右側もしくは、左側に引かれた線をレーンマーカーとして検出し逸脱防止を制御する技術です。

●パテントマップ;日産の逸脱防止技術(日本特許)

コメント;この機能に関する開発強化傾向は見られない

最新の特許サンプル

□マツダ*LAS(レーンキープアシストシステム)

●パテントマップ;マツダの逸脱防止技術(日本特許)

コメント;2015年から開発強化されている

●最新の特許サンプル