ISAのガイドラインの策定と義務化へ

ISAとは、Intelligent Speed Assistanceの略語で、 「自動速度制御装置」のことである。

衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)オート・クルーズ・コントロール(ACC) がそのISAの1つである。

国土交通省が2019/12/17の報道発表によると、ISAの国内基準を策定し、認定制度を導入し、その後、基準を満たすISA搭載のクルマの販売を義務化する方向としている。

詳しい内容は、国土交通省のHP掲載の以下を見てください。

 交通安全緊急対策に係る車両安全対策の措置方針について~高齢運転者による交通事故の削減に向けて~

2019年12月19日更新 アナリスト 松井

自動運転参入のリスク・チャンス、PEST分析4視点で測る

政治(P)、経済(E)、社会(S)・技術(T)を行い、本業界に与える影響と、逆に、本業界が与える影響の両方について、分析したので、その結果を説明する。

戦略立案時に行う環境分析としてPEST分析が知られている。

政治(P)

政治(P)がこの業界に与える影響は大きく、逆に、業界が政治に与える影響は大きい、といえる。

なぜならば、本業界の発展は、民間企業だけではできない側面があって、国に求められることが多く、かつ、国益の面も含め政府としては投資を増やしていくことが重要になるといえる。

例えば、

  • 法整備は、政治そのもの。それをしないと無人での自律走行は認められない。
  • 道路に設置する信号機やビーコンといった交通システムのインフラは、民間企業が決められない。国の税金で行う。
  • 5Gなどの通信も、インフラで使われる方式に準拠せざるをえない。カーナビに組み込まれることになる。
  • 日本政府のモチベーションは、国益を支える自動車産業が海外に取られてしまうことを避けたい。技術が変わることにより、仕事が海外流出してしまう懸念があるので、日本の道路などインフラの整備に投資を増やそうとすることは、必然である。
  • 具体的には、国土交通省、経済産業省、総務省、などが省庁の垣根を越えて取り組み、それを内閣官房が主導し、民間企業との意見交換を重ね、道路の整備や信号機、VICS、などの交通システムの整備、通信方式の標準化、などの整備、それに、道路交通法の整備など、政府が主導している情報がある。

このように、政府は、積極的に推進していて、政治が与える影響は大きいといえる。

 

経済(E)

経済(E)がこの業界に与える影響は、国の予算などが関わるので、自動運転の実現時期が変わる恐れがるが、逆に、この業界の進展が与える経済への影響は、大きいといえる。

なぜならば、経済とインフラの整備の計画は関係性が高いから。経済が悪くなると、インフラ整備のスピードが落ちるのは当然のことである。

一方で、自動車産業そのものが経済を支えている現状を踏まえると、自動運転によって、整備が必要になるインフラ(道路、交通システム、等)の整備が必要になり、巨額の投資が投入されていき、経済が回ることが期待できる。

例えば、

  • 海外メーカーに負けたならば、仕事が海外に流出する。
  • インフラの整備への投資は、民間企業にお金が回る。
  • マイカー購入を控えて若者には、シェアードサービス、ライドシェアなどにより、クルマの利用は増える。
  • ガソリンエンジンが減りガソリンスタンドが減る方向にある一方で、充電スタンドが増えることが推測され、経済全体で見れば、この業界の発展にともなって、経済も良くなる方向に寄与するのではないかと思う。

このように、自動運転の業界の進展が与える経済への影響は、大きいといえる。

 

社会(S)

生活者のライフスタイルや意識の変化といった社会(S)への影響は、大きいといえる。

なぜならば、モビリティは、生活に欠かせないことだから。その便利さや安全性が与える影響は大きい。

例えば、

  • 無人の自律走行車が交通事故をおこせば、問題視する報道が増える
  • 老人による事故が多発する問題などは、軽減される方向が期待されている。
  • マイカーを待たない若者は、配車サービスやライドシェアなどを利用し、所有から借りるに変わっていく可能性がある。
  • タクシーは、無人化など人件費削減につながり、運賃が安くなったり、或いは、スマホで呼べば来るクルマなど利便性が増す期待がある。
  • 宅配便の人件費不足は、無人化などで軽減し、宅配業者の業務効率が改善する。
  • コンビニエンスの宅配サービスなども、無人化されれば、店に買いに行かない時代がくるのかもしれない。
  • 技術開発者は、エンジンからモーターにシフトすることで、メカから電気・IT人材の需要が高まる可能性がある。
  • スタンドは、ガソリンから充電に変わる。
  • カーナビ予約は、レストラン予約まで行くなど、それほど、先のことではないと思う。

このように、暮らしにあたえる影響は多大だといえる。ただし、影響を感じる前に、安全性の壁を超える必要があり、もう少し時間がかかるのかもしれない。

 

技術(T)

技術(T)がこの業界に与える影響は、大きい。

なぜならば、技術が未完成だから。完全自動運転の完成には、現時点至ってなく、普及という時期までは10年以上かかるといえる。

例えば、

  • 安全性が確保できていない、AI技術の無人運転には、不安がある
  • 高価、LiDARセンサーだけとっても、普及価格には程遠い。
  • インフラ整備、巨額の国の予算が必要で、時間がかかる。
  • 通信の標準化、なども、コストや利便性の面で時間がかかる。
  • 電気自動車の急速充電技術や、スタンドの整備などにも時間がかかる。
  • AI技術の利用は、画像認識で完成に近いが、運転制御への利用には時間がかかる。

このように、技術課題が多くあり、逆に、この技術実現が業界に与える影響は大きいといえる。

  1.  

最後に

ポイントは、完全自動運転の実現。それまでは、技術開発にフォーカスしたウォッチングが重要になる。

2019年11月22日更新 アナリスト 松井

関連記事

国土交通省 が考える「Autonomous」についてリサーチした記事です。

総務省 が考える「 Connected(コネクテッド)カー 」についてリサーチした記事です。

それ以外にも 自動運転などの「CASE」の範囲をリサーチしたレポートを50以上取り揃えています。HOMEのメニュー一覧で選んで、閲覧してください。

そもそも、なぜCASEなのか?

CASEの4つに向かう前に、今の何が悪いのか? 原点回帰して、自動車業界が抱える現在の課題について、リサーチしてみた結果を説明する。

調査範囲

CASEの4領域を対象にしました。

なぜならば、自動運転業界の中のどのような商品・サービスを企画するにしても、この4つの領域の情報が不可欠だといえるから。

分析結果

(C) 通信が生活に浸透した

スマホの普及で、通信がない生活を不便に感じるようになった。スマホは、常に持ち運ぶ人がほとんど。他の通信に、ETCがあるが、これも普及した。料金を払う手間がなくなった。人がいる料金所が減り、運営業者は、人件費を抑えられるようになってきたのが現状である。

しかし、まだまだ、クルマを運転中に通信に期待することが多くある。

運転中は、電話ができない。LINEができない。カーナビが操作できない。渋滞情報がリアルタイムで把握できないで渋滞にはまる。という現状がまだあり、5Gなどのインフラ整備やクラウドなどの技術進歩、ビッグデータ処理など、クラウド上での処理能力の向上などの技術進歩を活かした車に通信を搭載した新たなアイデアが多くある。

だから、 「Connected(コネクテッド)」。V2Xといった新たな通信機能の搭載により、クルマでの移動する生活空間が変わろうとしている。

(A)AI技術の急激な進歩

当時、AI技術を使ったGoogle(現在のWaymo社)の自動運転車のテスト走行が話題になり、自律走行車の実用化が見えてきた。しかも、ディープラーニング、クラウド、GPU、などの電気・ソフトウエアの技術が目覚ましいスピードで性能がアップするなど進歩してきている。

だから、 「Autonomous(自動運転)」 が実現できることが期待されている。

(S) クルマは借りる時代

配車アプリサービスが成長を果たした。Uberビジネスが大当たりに、しかもワールドワイドに展開をし始めている。

一方、 「日本の若者のクルマ離れ」がある。マイカーを持たない人が増えている。

配車アプリサービスは、マイカーを持たない人が利用する可能性が高い。一般駐車場にあるカーシェア用のクルマならば、スマホで予約をしたり、身近な駐車場に返却するだけで便利。支払いもカード決済ができ現金の支払い作業が不要と便利。無人の自動運転車が実現した際には、スマホで呼べば来るクルマとなって、大変便利になる。 運営する業者にとっては、人件費が少なくて済むのが配車アプリサービスのビジネスモデルといえる。

だから、「Shared & Services(シェアリング)」

(E) 排ガスが嫌われた

国際的な問題として、温暖化問題が環境汚染によるものとされている。その汚染要因に、自動車の排気ガスがある。排ガスを減らす国間の約束になり、自動車メーカーの対応として、内燃機関によるエンジンそのものの販売を減らす方向性があると思われる。電気自動車(EV)は、排ガスゼロとされていて、ある自動車メーカーはそれをPRとしている。さらに、ガソリン代より安いランニングコストでもあって、タクシーなどがEVを採用するケースが出てきていて、需要も高まってきている。

だから、 「Electric(電動化)」 が期待されている。

IT&通信&電気の技術進歩の潮流が自動車業界を動かしたといえる

更新日;2019/11/19

Autonomousが産みだす商品・サービス像

ここでは、Autonomous Car(自動運転車)の開発やサービスに取り組もうとする企業等が発信する情報を調べた上で、得られた情報をベースにどのような商品・サービスが産みだされるかを推測しましたので説明します。

Autonomous Carとは

国土交通省HP掲載資料でのAutonomous Car とは、認知、判断、操作、それにヒューマンインターフェース(HMI)を要件とするとある。「Autonomous 」、つまり「自動運転」は、ハンドルやブレーキ、などの人が行う操作をコンピューター制御に変えたものを示すそうです。

    ※ 図は、国土交通省HP掲載資料からの転載 

既存のクルマには、LiDARやカメラなどのセンサがすでに装備され、アクティブクルーズコントロール(ACC)や衝突被害軽減ブレーキなどの機能が装備されています。ただし、未来のAutonomous Carは、その現在の技術・機能と何が違うのか?自動車メーカーが実現しようとする機能はどのようなものなのか?暮らしがどう変えるのかについて、知りたくなりましたので、それを調べました。

つまり、Autonomous Car の商品像やサービス像について、調査結果に基づく分析(推測)結果を説明します。

企業等が考える商品・サービス像

Autonomous Car を主導しよう企業等とは、政府やトヨタ、メルセデスなどの自動車メーカーです。それ以外にも多くの企業が開発を行っています。

政府情報から

国土交通省HP掲載資料によれば、センサや自律走行機能が個々のクルマに備え付けられて、白線を認識しながら 走行中の路線を逸脱しないように走行したり、走行中の前を走るクルマまでの距離をセンサで検知して、一定距離を保つようにクルマのアクセルやブレーキを自動的に制御したり、最終的には、完全に無人で自律走行できるクルマが完成する。ハンドルレスの車も登場するだろう。

完全自動運転(無人での自律走行)車の商品化時期は、2020年代には走行できるレベルには完成していると思われるが、道路交通法の問題や保険や事故時の保証の問題などがあって、それがクリアされるまでは、公道は走らない。一方、法に影響を受けない範囲で 私道などでの利用が始まると言われていて、高速道路も含め、限られた道路での利用が期待されている。

完全自動運転車のキー技術が、人工知能、つまりAI技術が期待されている。ディープラーニングという技術が、特に、記事を賑わせている。

完成した暁には、無人のクルマが街を走行する時代になる。
それにより、暮らしは変わる。

老人による事故が減り、タクシーなどが無人化し、安価で乗れる。というよりは、呼べば来るタクシーが無人化する。マイカーを購入するより、呼べば来るタクシーに乗る方が安く済む時代がくるのかもしれない。

そのようなことが調査の結果で予測することができた。

将来像(例)

Autonomous car(自動運転車) だからこその安全や安心、それに便利なモビリティのある暮らしに繋がるクルマやサービスを産み出そうとしていることが分かった。

ネット情報から伺える将来像(例)

  • バレーパーキング、ホテルなどの入り口でポーターさんに駐車を任せるかのように、街の駐車場の入り口で、クルマを降りると、自動で駐車スペースまで走行し自動で駐車するようになる。
  • トラック隊列走行、複数台のトラック輸送が隊列を組んで道路を走行するようになる。
    トラック運送業界の効率化につながる。
  • ハンドルレス、ハンドルのないクルマが商品化される。
    運転手スペースも助手席同様に、運転をしないで良い空間になる。音楽を聴く、スマホを見る、DVDなど動画を見る、眠る、などができる運転手席にかわる。運転手関とは言わなくなるのかもしれない。まだまだ、先の話ですが。
  • ロボットタクシー、無人の自動運転車での配送サービスが産まれる。
    UberやLIFTといったアメリカの企業が目指すのは、ロボットタクシーという市場。スマホで呼べば運転手レスの自動運転車が迎えに来るサービス。
  • などなど、

特許情報から伺える将来像(例)

  • Autonomous car(自動運転車)の技術開発は、活発に進められていることがパテントマップで伺えた。

 主な出願人(企業)は、UBER,GM,FORD,トヨタ自動車,IBM,WAYMO,など。

  • Autonomous carの機能の1つが「自動バレットパーキング」機能。
    駐車スペースを探し駐車場内を自律走行して駐車するバレーパーキングの技術開発も、活発に進められていることがパテントマップで伺えた。


    主な出願人(企業)は、BOSCH、アイシン、など。 

    • Autonomous carの機能の1つが「トラック隊列走行」機能。
      隊列をなしてトラックが走行する技術開発は、活発に進められていることがパテントマップで伺えた。

       主な出願人(企業)は、FORD、デンソー、トヨタ自動車、現代自動車、など。

    などなど、特許出願として公開されたAutonomous car のアイデアがあふれています。駐車場内での機能や高速道路での隊列走行、など、限定された場所ごとに適した自動運転の機能がぞくぞく開発が進められていることが調査の結果分かった。

まとめ

自動運転車に取り組む企業が技術開発で目指す将来像を予測するために、特許情報等を調べてみて分かったことをまとめました。駐車場や高速道路などの限られたエリアそれぞれ適した自律走行機能を実現しよう取り組んでいます。

更新日;2019/11/14

Connectedが産みだす商品・サービス像

ここでは、Connected(コネクテッド)カーの開発やサービスに取り組もうとする企業等が発信する情報を調べた上で、調査結果をベースにどのような 商品・サービスが産みだされるかを推測しましたので説明します。

Connected Car とは

「Connected Car 社会の実現に向けて 」(出展、総務省ホームページのリンク先 )でのConnected Car とは、「クルマとクルマ」(V2V)、「クルマとネットワーク」(V2N)、「クルマと人」(V2P)、「クルマとインフラ」(V2I) が通信でつながれたクルマのことが示されています。「Connected」、つまり「繋ぐ」ものは、通信で情報を繋ぐということのように思われます。

    ※ 図は、総務省ホームページの資料からの転載 

既存のクルマは、すでに、通信機能が装備されたクルマが公道を走っているものもあります。一方、Connected Car は、この4つの通信機能を備えているクルマだとすると、その実現により暮らしがどう変えるのか、クルマの機能やサービスがどう変わるのかについて、知りたくなります。それを調べました。

Connected Carの商品像やサービス像について、その調査結果を使って分析(推測)しましたので説明します。

企業等が考える商品・サービス像

Connected Car を主導しようとする政府やトヨタやメルセデスなどの自動車メーカーが考える Connected Car とはどのようなものか? 調べてみた結果を説明する。

政府がイメージするサービス

「Connected Car 社会の実現に向けて 」(出展、総務省ホームページのリンク先 )で説明されている新たなサービスを示した図がこれである。

    ※ 図の総務省ホームページの資料からの転載 

  • 運転手の感情・嗜好性に応じた提案
  • 家庭内機器との連動
  • 自動車保険
  • メンテナンスサービス
  • エージェントサービス

実現されれば、 「わくわくするクルマ」になるという。

トヨタ自動車のサービス

HPhttps://www.toyotaconnected.co.jp/service/)によれば、8つのサービスを展開するとあり、従来のクルマの販売だけの従来の自動車会社ではなくなっていくように思われた。

  1. コネクティッドプラットフォーム
  2. ビッグデータ
  3. モビリティサービス
  4. テレマティクスサービス
  5. PHV/EV充電サービス
  6. デジタルマーケティング
  7. リアルコミュニケーション
  8. IT改善ソリューション

 

Mercedesのサービス

Mercedes-me-connectと呼び、HP(http://www.mercedes-me-connect.jp/ ) によれば、クルマを使ったサービスを売りにするサービスを展開する模様。

  • 新しい安全・安心 不慮のトラブルに対する安心と安全なサポートをする。
  • 新しい快適    スマートフォーンからのクルマの操作ができる
  • 新しいおもてなし 運転中にレストランを調べたりなどで、オペレーターサービスを行う。など

具体的な機能・生活シーン

各企業等がHP等で発信する情報は、具体性が不足し、 生活シーンがどう変わるかが分かりにくいことがが多い。理由は、商品化前の技術開発段階であるから。つまり、企業のプレスリリースは、商品化前の段階で多くを書けない側面があります。

そこで、特許情報を使い調べ、さらに、 生活シーンでの価値感で表現するように工夫し、この後説明します。

補足)工夫の理由

  • 特許情報を使う理由は、各企業が取り組む具体性な機能・サービスが開示されている。
  • 生活シーンでの価値感で表現する理由は、特許情報が分かり難い技術資料だからで、分かりやすく伝えるため。

特許情報から伺う

”Connected Vehicle”を意識した技術開発は、パテントマップで見て分かるように、最近の活発化傾向がはっきりと伺えた。

パテントマップでみる傾向

  • 母集団=”Connected Vehicle”を全文に含むものを対象に検索したもの

  • 補足1)横軸;開発時期(=出願年)、縦軸;技術開発アクティビティ(出願数)
  • 補足2)2018年のグレー色対象は、未公開分の出願の試算件数を示す。
  •  
  • ※ 条件
  •  1)調査日;2019/11/04
  •  2)対象国;米国の特許出願が対象。
  •  3)出願日の限定;2010年1月1日以降に限定した。

     

 

特許情報の個々から伺える、具体的な商品像・サービス像が伺えました。

  • クルマそのものが雨検出などができるので、走行中の道路の天候状況をそこから情報収集し、道路ごとの雨の状況や、スリップのしやすい状況が管理でき、運転制御でより安全な自動運転を実現する。
  • 緊急事態のお知らせするサービスで、事故車両の存在や緊急車両の接近、或いは、厳しい気象状況等が行き先に存在するなど、従来知りえなかった情報がタイムリーに提供される。
  • 盗難防止する機能で、マイカーの盗難時にタイムリーにお知らせがくるサービス。時には、エンジン停止など、盗難防止機能も考えている。
  • 故障予測をする車両メンテナンスサービス。
    デジタルツインによるシミュレーション技術で、車の故障予測などをクラウドで行う。
  • カーシェア専用自動料金支払いシステム。
    サービス提供会社は、通信で、走行距離情報や位置情報を取得し、自動計算でカーシェア料金を決定し、自動料金支払いまでを行うサービスをする。などなどカーシェアリング向けに色々な機能が開発中と思われた。
  • 電気自動車(EV)になるので、売電機能サービスが考えられている。
    バッテリーの余剰電力を、電気が不足して困っているところ(地域やクルマ)に供給・売るサービス。

     

    などなど、特許出願で公開されたアイデアが色々とあふれています。

 

更新日;2019/11/2

CASEが変える、未来とは

ここでは、CASEに取り組む企業等が発信する情報を調べた上で、得られた情報をベースに私たちの未来の暮らしにもたらすものがどのようなものかを推測しました。

推測された未来

クルマが変わり、運転が変わり、人の移動が分かり、宅配や物流など、運送ビジネスが変わるというのが調査で分かりました。このように変わった先には、快適で、安全で、安心して暮らせるようになるというもので、2050年頃をゴールに、段階的にそこに向かうと、日本国政府を始め自動車メーカーなどのCASEを主導する企業等が進めていることが分かりました。

【参考にした資料】

Connected(コネクテッド)の実現でくる未来像

クルマがネットワークにつながれば、例えば、

  • 渋滞レスカーナビ
  • 盗難車の自動追跡サービス
  • 保険料を実際の走行距離情報で決める自動車保険
  • 自動で救助がくる交通事故対応サービス
  • 前走車の急ブレーキに確実に対応できる追従走行(ACC)
  • スマホで呼ぶと来るクルマ(駐車場で、自宅に送迎、など)
  • など

Autonomous(自動運転) の実現でくる 未来像

クルマが自動運転に変われば、例えば、

  • 運転に不安な年寄りの事故が減る
  • マイカー購入相当の料金で送迎サービスが利用できる。
  • 移動中の運転疲労がなくなり、色々と楽しむことができる。
  • 駐車場で勝手に自動駐車
  • レンタカーの返却は、無人で。
  • など

Shared&Services(シェアリング) の実現でくる 未来像

  • マイカーが不要に。
  • スマートフォーンで呼べば来るタクシー。
  • 相乗りタクシーで安価に。

Electric(電動化) の実現でくる 未来像

  • 環境汚染の地球的課題の解決につながる。温暖化などで台風発生被害などが減る。
  • 空気がきれいな都会生活ができるようになる。
  • ガソリン代などの運送コストが減り、タクシーなどの送迎サービスのコストが下がる

トヨタがイメージする未来、「Woven City」

ECOを強く意識し、木々による緑が多い街づくり。店らしい店がなく、道路も少ない。クルマが欲しいものを持ってきてくれる街。こんな街をイメージしているのかと思うような動画でした。

分析者が感じたことは、この動画がトヨタが目指すモビリティーというか、街づくりと思った時に、コンビニエンスストアの店舗の在り方や宅急便の在り方なども、様々な事業者に影響することだといえる。東富士の街づくりは1つの実験に過ぎないが、この実験の先に完成する街は、住み良い理想の街が完成すると、各所各所の街づくりは、 それを真似て、 トヨタが考えた様々な技術・機能が広がることになる。そこまでいくと、トヨタが世の中を変えることになるのだと思う。

これがCASEの未来を現在創造する一番の近道だと思うと、多くの企業がこの街づくりの行方にウォッチングし続けることが必要ではないかと思った。

更新日;2020/1/12

自動バレーパーキング

未来の駐車場システムのことである。

自動バレーパーキングは、Automated Valet Parkingの略。 そもそも「 Valet Parking 」とは、 ホテルやレストランの駐車サービスで行われているサービスで、係りの人に 車のカギを預け代わりに車の駐車をしてくれるサービスのこと。自動バレーパーキング は、係の人がいない、自動で行う駐車システムのことである。

システムのことがイメージできない方は、まずは、Mercedes-Benz/Bosch の制作したYouTubeを見てください。

「Automated Valet Parking System」

このように、駐車は、係員(人)ではなくスマホで指示すれば、勝手に自律走行をし駐車してくれるというもの。

業界の動き

政府は、「 官民 ITS 構想・ロードマップ 」を作成し、その中でも 「自動バレーパーキング」 が取り上げられていて、強いニーズがあるとされている。

2019年6月に 自動走行ビジネス検討会が発行した資料を紹介する。

海外の動き

技術開発やテスト運用をし、検討が進められている。

上述したMercedes-Benz/Bosch は、 Automated Valet Parking System として、取り組んでいる。一方、 自動駐車に限定したものではないが、無人運転として、注目される海外の動きには、「Waymo One」「 GM Cruise 」「 Sensible4 」「 Smart Shuttle Project 」がある。

Waymo One
GM Cruise
Sensible4
スイスの街中を走る字無人運転バス

現在の実用化

トヨタの自動駐車機能

実用化されたのは、駐車スペース前でボタン一つで自律走行し駐車する自動駐車機能。

トヨタの アドバンス パーク

この機能は、自動バレーパーキングの一歩手前の技術レベルにあると言える。遠くにある駐車スペースを探すことや、そこまで自律走行する機能までは、まだ実用化されていない。

技術の動き

自動バレーパーキングは、駐車スペース前でボタン一つで自律走行し駐車する自動駐車機能というよりは、遠くにある駐車スペースを探すし、そこまで自律走行するというレベルだとすると、実用化の一歩手前にあると言える。残る技術課題は、コストと安全性。特に、コストを下げ利益を上げられるところまでいけば、ビジネスとして加速すると思われる。 なぜならば、公道での無人走行は、道路交通法などの法的な問題が実用化に向けての大きな課題になるが、駐車場が私有地の場合が多いことから、法の縛りが少ないといえる。そうはいっても、駐車場の経営者の責任となりやすいので、二の足を踏みビジネスとしての加速は、まだまだ。万が一の事故に対する保険や事故を起こさない技術のレベルアップが今後も継続することになる。

Mercedes-Benz の取り組みは、車両側に機能を持たなくても駐車場内のカメラや通信などにより、自動駐車できるシステムを目指している模様。

一方、日本での動きは、 自動走行ビジネス検討会 「自動走行の実現に向けた 取組報告と方針」 Version 3.0 によると、車両と駐車場の両方に機能を持たせることを考えている。また、当面の目標は、自動バレーパーキング専用駐車場で専用の車両が自動駐車できることを目指しているという。街の駐車場にだれもが自由に自動バレーパーキングする時代には、まだまだ先になると予測される。

□ 特許情報でみる技術開発の動き

自動バレーパーキングの技術開発は、2014年~2017年にかけて、活発に行われたことが分かった。特許出願を伴い技術開発を進める主な企業は、 Mercedes-Benzと組んでいる「ROBERT BOSCH」であった。2015年、2016年に技術開発が活発になって特許出願がされていた。他には、「FORD」が 2016年に特許出願をして活発化していた。日本の企業は、まだまだ、活発化している傾向は見えなく、トヨタが、特許出願を 最近になって始めている。

  • 補足1)本グラフの見方;横軸;開発時期、縦軸;技術開発のアクティビティ
  • 補足2)主に、2018年、2019年の出願数は、未公開分の出願が存在するので、より増加する。
  • ※ 条件
  •  1)調査日;2019/09/30
  •  2)対象国;米国特許の出願が対象。
  •  3)開発年=出願年とした。ただし、優先権出願は優先日でカウントした。
  •  4)検索方法;公報全文のキーワード”Valet Parking”を含む公報
  •  5)出願日の限定;2010/01/01~

米国特許ベース

日本国特許ベース

  • ※ 補足・条件
  •  1)調査日;2019/11/3
  •  2)検索方法;公報全文のキーワード”Valet Parking”を含む公報
  •  3)出願日の限定;2010/01/01~
  •  4)グラフ作成 横軸;開発時期、縦軸;技術開発のアクティビティ
  •  5)2018年、2019年の出願数は、未公開分で今後増加する可能性がある。

2020年1月6日更新 アナリスト 松井

MaaSの最近の動き

MaaSとは、 Mobility as a Service( モビリティ・アズ・ア・サービス)の略で、 「自動運転のみならず自動車や鉄道や飛行機などの様々なモビリティ手段の在り方及びこれらを最適に統合するサービス(MaaS)のこと。

今ない新たなモビリティ手段を国土交通省を始め、自動車会社や鉄道会社などが検討を行っていて、その動きについて、調べた結果をここでは紹介する。

政府の動き

まず、政府や省庁の動きは、次のような報告がされている。

ダイムラーのMaaS

最も早くMaaSビジネスに舵を切ったのが「メルセデスベンツ」を有するダイムラー。

カーシェアリングサービス「Car2Go」を展開し、続いて、ライドヘイリングサービス「MyTaxi」などを拡充している。BMWとMaaSビジネス領域において事業統合した。

BMWと組んで、5つのMaaS会社を設立、順調に売上と利益を伸ばしている。

トヨタ自動車

トヨタ自動車は、ソフトバンクと提携をした。新会社「MONET Technologies(モネ テクノロジーズ)」を設立し、2018年度内をめどに共同事業を開始すると発表し、 新たなモビリティサービスの構築に向けて投資する。

デンソーのMaaS

DENSO MaaS Architecture

これによると、  「Digital Twin」と「Mobility IoT Core」と呼ぶ二つの技術で構成され、モビリティの状態をクラウドにリアルタイムでデータ収集し、そのデータで、使いやすい時空間情報を提供するというもの。

日産とDeNAの共同開発「Easy Ride」

「2020年代前半の本格サービスの提供に向け、地域の魅力にも出会えるような交通サービスを目指していきます。 」(出展;NeNA)

ホンダのMaas

2019.07.04リリースの「Honda Meeting 2019発信概要」

  • 電動モビリティとエネルギーサービスがコネクテッド技術を通じて繋がり、循環するHondaならではの技術・サービス「Honda eMaaS」の構築を目指します。(ホンダのリリース)
  • ・このHonda eMaaSにより、再生可能エネルギーの利用を拡大し、「移動」と「暮らし」を進化させることで、お客様価値の向上に貢献していきます。

VENIAM INC

企業HP

NUTONOMY INC

デルファイに買収され、その後「APTIV」に改名している企業。「APTIV」の詳細は、本サイトの http://pat-analysis.com/car/2019/01/30/aptiv/ を参照。

MaaSのその他

MaaSそのものの定義が広く、多くの会社の取り組みがあるので、今後、調査とともに更新を予定する。

□Patent

米国特許での、「MaaS」特許出願は、増加傾向にある。

「VENIAM INC」「NUTONOMY INC」の出願が注目された。

3D地図の提携動向

【HERE連合】

欧州の地図制作会社HEREが中心となって、仲間を呼び掛けて取り組んでいる。

HEREは、2015年にAudi、BMW、Daimlerの自動車メーカーによる企業連合に買収されたオランダのアムステルダムに拠点を置くベンチャー企業。

HEREの紹介

HEREのカーナビゲーションシステムでは、 自動運転の「レベル3」機能を搭載したAudi「A8」に搭載されている。 他にも、BMWや、アルパインやガーミン、米Amazon.comや米オラクルなどに販売またはライセンスする実績がある。

  • Audi
  • AWS
  • BMW
  • Daimler
  • DJI
  • Esri
  • Intel
  • Mobileye
  • NVIDIA
  • Oracle
  • Pioneer

【ダイナミックマップ連合】

日本の (株)産業革新機構がが中心となって自動車メーカーなどに呼び掛けてダイナミックアップのデータ構造を標準化しようと取り組んでいる。

  • 株式会社INCJ( 元(株)産業革新機構 )
  • 三菱電機株式会社
  • 株式会社ゼンリン
  • 株式会社パスコ
  • アイサンテクノロジー株式会社
  • インクリメント・ピー株式会社
  • 株式会社トヨタマップマスター
  • いすゞ自動車株式会社
  • スズキ株式会社
  • 株式会社SUBARU
  • ダイハツ工業株式会社
  • トヨタ自動車株式会社
  • 日産自動車株式会社
  • 日野自動車株式会社
  • 本田技研工業株式会社
  • マツダ株式会社
  • 三菱自動車工業株式会社

【トヨタTRIとCARMERA社 の協業】

車載カメラを使った地図生成に取り組んでいる。

自動運転車業界

□ 概況

自動運転車の業界は、技術開発の競争が激しく、トヨタをはじめ自動車メーカー各社は、他社とアライアンスを複数している。 オープンイノベーションが興ていると言える。

トヨタ 、日産自動車、アウディ、ボルボ、メルセデス、BMW、GM 、フォルクスワーゲン、フォード、ルノー 、ホンダ 、マツダ 、スバル 、三菱自動車、ZMP 、テスラなどの 自動車メーカーは、自動運転車の商品化を目指し開発をしている。

サプライヤーのコンチネンタル、 デンソー 、パナソニック、三菱電機は、センサや制御の技術を開発している。 

ITメーカーのWaymo、Apple、ソフトバンク、 Apple、インテル 、NVIDIAがGPUなどの半導体やソフトウエアなどを開発している。

タクシー、ライドシェアのUber、リフト は、地図を利用して車を誘導する技術などを開発している。

それぞれがアライアンスをし、自前で開発する自動車メーカーは取り残される状況があるからである。

キーパーツには、LiDARなどのセンサがある。多くのパートメーカーやスタートアップ企業が開発をしていて、競争が激しい。

それに加えて、ライドシェアやタクシー、トラックなど、自動運転車を活用したサービス(ビジネス)を目論み、自動車の誘導(ナビゲーション)技術、自動車間の走行距離制御、など、様々なソフトウエアの技術開発が進められている。

このようにパーツ、自動車、サービス、ソフトウエア、情報整備、など、技術開発が多くの企業で行われていて、着実に自動運転車の無人化になる時代が近づいてきてる状況で、その先のサービスまでビジネスが視野に入っている。その市場規模は、巨大になることが予測されている。

しかし、LiDARセンサは、数百万円するなど、高価。それにサイズが大きいなど、普及に必要な価格、サイズ、などが現時点で十分ではない。自動運転の制御にしても、事故を引き起こす懸念があり、公道を無人で自律走行させるには、もう少し技術のレベルアップが必要になる。

だからこそ、最先端の技術を早く手に入れ、商品化したい。それを狙って新たな企業が独自の技術で参入を目指している。